Liveraです。9世代では数シーズン前から7世代ぶりに対戦に復帰し、今回4年半ぶりにR2000を達成したため久々の構築記事となります。
【使用構築】
【コンセプト】
Ⅰ. 規格外の馬力+一定の行動保障を両立できるアタッカーの一致テラスで対面突破する動きに徹する
Ⅱ. 選出画面で受け駒や特定のポケモンの選出を強く牽制し、上記の動きが通る試合を1戦でも増やす
Ⅲ. Ⅱの効果を活かし、脳死で決めても一定の勝率が挙げられるような直線的な選出や行動パターンを確立する
【構築経緯】
今期はサイクル寄りの構築が激減し、純正な対面構築が多い環境になったことから、積まずとも瞬時に高火力が叩き込めるポケモンを如何に複数回動かし速攻相撲で決着できるかを意識した。
物理方面は、ディンルーやヘイラッシャといったステロ撒きや数値受けの定番が激減したことにより通しやすくなったと感じた飛行テラバ鉢巻カイリューを起用。
特殊方面は、ステロを撒かれても対面性能が落ちず、また一致技で拘る事が多いカイリューにとって障害になりうるサーフゴー(特にHB)や、威嚇によって分の悪いランドロス、カイリューの苦手なテツノツツミなどを筆頭にテラス込みで多くの相手と五分以上に殴り合える赫月ガチグマを起用した。
この2匹は攻撃性能自体は優秀だが現環境の平均より遅いSが足を引っ張り、とりわけ対面構築に対してそのまま並べただけでは高速高火力なポケモン達に役割集中で押し負けてしまうことが目立った。
そこで相手の初手のS操作+ステルスロックにより主にカイリューが相手の2匹目までを安定して処理できるよう、電気玉投げつけるコノヨザルを先発役として選任。
また、終盤の4桁上位付近~3桁ではブラッドムーンの通りがよくガチグマの行動回数を増やせればイージーが取れる構築も多かったため、トリル要員として定番のミミッキュを採用。
残った2枠については数は少なかったものの受けループへの対策として身代わり剣舞炎オーガポン、ラストに前期から使用していたイーユイを続投した。イーユイについては明確な役割はなかったが、一部の構築を除いて受けることが困難な炎枠を2体並べることで鋼枠の選出を抑制し飛行テラバやブラッドムーンの一貫が取りやすくなることを期待した。
【個体紹介】
① コノヨザル
テラス:電気
性格:陽気
特性:精神力
持ち物:電気玉
実数値(努力値):217(252)-135-100-x-111(4)-156(252)
技:憤怒の拳/投げつける/命懸け/ステルスロック
B:パンチグローブ持ち特化連撃ウーラオスの水流連打+アクアジェットを約66%の乱数で耐える
D:臆病ハバタクカミのムーンフォース確定耐え
先発役。8割以上の試合で選出した。
H振りだけで並大抵の攻撃は一発耐える点と、大半の連撃ウーラオスやそれ意識のオーガポンの上から行動できる点がサポート役としてとても使いやすかった。アタッカー相手には投げつけるから入ることで大抵2回の行動が確保できる。
イーユイや鉢巻パオジアンなど一部の高火力一致テラスでは流石に出落ちしてしまうこともあるが、先発のコノヨザルは襷のイメージも強いため初手からいきなりそのようなムーブをされることは少なく安定して仕事ができた。
投げつける→ステルスロックが通常の動きだがイレギュラーなケースは主に下記3点。
・ブーストエナジーが発動しないハバカミ
→眼鏡と判断し、テラスを切り憤怒の拳で突破する(鉢巻逆鱗が一貫しやすくなる)
→命懸けで1:1交換をする
・キラフロル
ステルスロック→命懸け(襷であれば毒菱を撒かれずにガチグマの真空波で処理できる)
ステルスロックを撒く目的はマルスケや襷を無力化することであり、初手に出てきたカイリューと相討ちを取ることはそれと同等(テラスを切ってきた場合は爆アド)の意義があるため迷わず命懸けを押していた。
終盤前まではムーンフォースに耐性がつく鋼テラスで運用していたが、襷を持ち電磁波を撒いてくるハバタクカミが一定数現れた為電気テラスに変更した。
麻痺撒きの目的はあくまで後続の為のS操作だが、こいつより遅い多くのポケモンは処理するまでに最低2回の麻痺バグチャレンジを乗り越えなければならず、割と起きやすい上振れが行動回数の水増しに直結するのはやはり大きな恩恵だった(これにより、上記のウーラオスからの実質的な乱数は更に有利)。
特性は精神力一択。役割の性質上怯みによる出落ちだけは許されない。
テラス:飛行
性格:意地っ張り
特性:マルチスケイル
持ち物:拘り鉢巻
実数値(努力値):167(4)-204(252)-115-x-120-132(252)
技:テラバースト/逆鱗/地震/神速
高火力アタッカーその1。マルスケを残った状態でテラスを切れば飛行テラバーストで多くの並耐久アタッカーを対面突破できる。
先述の通り、攻撃性能は高い反面耐久についてはマルスケがないと現環境では心許ないので、コノヨのサポートでマルスケを試合の中盤まで温存しつつ暴れさせることを意識した。以前はステロさえ撒いていればほぼ全てのカイリューを一方的に押し切れたが、現在は鋼テラスのスケイルショット持ちに切り返されることもあり一概に有利ではなくなった。ただやはり選出画面で炎2体を見せているのが効いていた為かそこまで頻度は高くなかったように思う。
また初手コノヨの動きから龍舞型を誤認させやすく、拘りオバヒや水流連打でコノヨがワンパンされた際に死に出しをすると積みを嫌ってか引かれることが多いため、裏に想定外の火力を刺せたのも強かった。
最終日付近はトリル展開からガチグマを押し付ける動きの方が通りやすくあまり選出しなかった。
③ガチグマ(赫月)
テラス:ノーマル
性格:控え目
特性:心月
持ち物:突撃チョッキ
実数値(努力値):217(228)-x-140-205(252)-85-76(28)
技:ブラッドムーン/ハイパーボイス/大地の力/真空波
B:特化竃オーガポンのテラスA+1ツタこんぼう確定耐え
D:臆病眼鏡ハバタクカミの一致テラスムーンフォース、ブーストエナジー持ちテツノツツミのハイドロポンプ確定耐えなど
S:麻痺した準速ウーラオス抜き+1
話題の重戦車。
対面からならテラス込みで環境にいる殆どのポケモンを制圧できる。トリル前提の運用であれば強化アイテムでブラッドムーンのリーチを伸ばす選択肢もあったが、純粋に対面的な動かし方をした際の汎用性を鑑み今回はオーソドックスな突撃チョッキとした。
コノヨザルが相手の初手ウーラオスやSを落としたオーガポンに麻痺を入れることが多いためこの調整自体は活きることが多かったが、ミラー意識でSを伸ばしているガチグマも多くここまで振ってもミラーでは抜かれていることが少なくなかった。
しかしそれはトリル展開をした際上を取れる可能性が高いということでもあり、実際に最終日に当たった対面構築にピンで入っているガチグマは概ねトリル下で一方的に鎮圧できた。
テラス:ゴースト
性格:意地っ張り
特性:化けの皮
持ち物:隠密マント
実数値(努力値):135(36)-154(236)-113(100)-x-126(4)-133(132)
技:じゃれつく/影撃ち/呪い/トリックルーム
B:パンチグローブ持ち特化連撃ウーラオスの水流連打、特化パオジアンの氷柱落としを皮ダメ込みで確定耐え
S:準速カイリュー抜き
怯みを気にする必要がない、限りなく信用可能なトリル要員。選出した全ての試合で中継ぎになったがトリルを張らずに相手を本来の対面性能を活かして相手を一体持っていくor大幅な削りを入れる動きをすることもあった。
赫ガチグマや逆鱗後のカイリューに死に出されたハバタクカミはほぼ確実に瞑想を積んでくるためこいつを投げることで安定して切り返せる。
A特化にすることにより
・CSハバタクカミやこの構築で重い一撃ウーラオスを処理可能
・呪い+じゃれつくで一部のカイリュー以外に殴り勝てる
・赫月ガチグマに対してテラスに頼らず呪いダメ2回+じゃれつくで大幅な削りを入れることができる
・トリルターンを枯らそうと補助技居座りをしてきたり、受け出された並~紙耐久のポケモンに対し軒並み大きな負荷をかけることができる
など恩恵は多かった。トリル後、妖の通りが良い並びには呪いよりもじゃれつくを連打することでそのまま試合が終了することも何度かあった。
⑤オーガポン(竃の面)
テラス:炎
性格:意地っ張り
特性:型破り→面影宿し
持ち物:竈の面
実数値(努力値):169(108)-187(236)-105(4)-x-117(4)-150(156)
B:パンチグローブ特化連撃ウーラオスの水流連打を確定耐え
S:準速ウーラオス抜き
受けループ(特にヘイラッシャ入り)に対する明確な対策枠。
交代や欠伸に合わせて身代わり+積みをしてイージーウィンを図る。
特定の相手には型破りが活きる場合が多い為むやみにテラスを切らない事を心がけた。
そもそも受けループにほとんど当たらず、またカイリューに対して打点が薄いため攻め駒としては全く以て汎用性に欠けており選出することはほぼなかった。
⑥イーユイ
テラス:妖
性格:控え目
特性:災いの玉
持ち物:拘りスカーフ
実数値(努力値):131(4)-x-100-205(252)-140-152(252)
技:オーバーヒート/火炎放射/悪の波動/テラバースト
今期本当に上手く扱えず置物となってしまっていた枠。
構築の原型がハッサムの後攻蜻蛉から高速高火力を展開するコンセプトだったため採用していた名残だったが、構築全体のSが低いことが何となく不安だったため残留していた。
選出はほぼ0だったが、冒頭記載の通り選出画面でオーガポンと並べて圧をかけることによりサーフゴーやアーマーガア、ハッサム、ジバコイルなどの鋼タイプの被選出率が軒並み低下しエース2匹の一貫が作りやすい点はとても良かった。
また、このポケモンに出し負けることを嫌ってか初手にカイリューや連撃ウーラオス、オーガポンが来ることが多く、コノヨザルが何らかの仕事をしやすい相手を誘引することにも一定の寄与をしてくれていたものと思われる。
このように9世代では規格外の特性や数値により構築にいるだけでパッシブに役割を果たせてしまうポケモンが複数存在する。
今期以降も選出誘導を巧く利用する考え方はしっかり意識していきたいと思う。
【選出】
①vs対面構築(相手にステロ要員がいない場合)
コノヨザル+カイリュー+赫月ガチグマ
2体目はコノヨザルで麻痺させた相手によってどちらを置くか決める。
赫ガチグマや中速の場合→赫月ガチグマ
高速の場合→カイリュー
②vs対面構築(ステロ要員がいる場合)、ランドロス入り、その他サイクル
コノヨザル+ミミッキュ+赫月ガチグマ
ステロや威嚇でカイリューを通しづらい場合や、高速並耐久以下で並べられている対面構築にはステロ+トリル展開から赫月ガチグマで押していくことが多い。
初手飛行テラバランドロスでコノヨザルが出落ちするのを懸念し赫月ガチグマから入る選出もたまにしていたが、そのようなランドロスの数が前期よりは落ち着いていたため振り返ればそこまで気にする必要もなかった。
前期最終日の3桁帯ではほぼ毎回本項1番目の選出をしていた。
③受けループ
コノヨザル+オーガポン+カイリュー
ラッキーやハピナス入りの並びは赫月ガチグマでは崩せないため必然的にこの選出に限定される。テラスは基本的にオーガポンに切るが、ヘイラッシャを崩すまでは型破りを残しておくことが大事。ステロは大した負荷にならないため、初手対面は命懸けで相手の頭数を減らすことだけ考える。稀にヘイラッシャが飛んできてオーガポンの圏内まで削れてくれる。
【重いポケモン・並び】
・ディンルー
先発後発どちらに来られてもきつい。
驚異的な耐久で必ず2回以上は動かれ、ステルスロックやカタストロフィでパーティー全体を大きく削られるのが痛い。
挑発などの阻害手段もないため役割集中で押し切るしかない。幸い数が少ないためそこまで泣かされることは無かった。
・キラフロル
襷持ちはまだ良いとしてチョッキもそれなりにいたのが苦しかった。
ステルスロックをキラースピンで解除されるだけでなくコノヨザルに削りが入ることで命懸け+真空波の圏外に逃げられて赫月ガチグマが削られ後続の高火力で押し切られる展開が目立った。
・初手眼鏡オバヒorフェアリーテラスイーユイ
コノヨザルが出落ちした一番の相手が恐らくこのポケモン。
・ブラッキー入りサイクル
カイリュー、ヒードランなどオーガポンで崩せない取り巻きが2匹以上いるとほぼ無理。
・オーロラベール展開
アローラキュウコンの壁貼りを誰も止めることができないのと、壁を張られた場合積まれずとも単純にダメージレースで殴り負ける。
どちらも端本選出の素のSラインが低いことに起因している。
・初手の速い身代わり持ち、叩き落とす持ち
コノヨザルより速い初手には何としてもまず麻痺を入れたいため、これを透かされるのが一番嫌な動きだった。
・キョジオーン絡みのサイクル
4桁帯ではそこそこいたがそこから上は少なかったのがありがたかった。勝てないわけではないがやはり相手をしたくはなかった。
【結果】
TNあさのやま/最高最終2006(最終501位)
11/4に開催されたLiBorn OFF Ⅳにおいても同様の構築を使用した。
【最後に】
インフレシーズンではありましたがようやく上でもある程度通用する対面構築が組めて目標の2000が達成できたのは素直に嬉しいです。
前々期あたりから1か月という短いスパン、目まぐるしく変動する環境の中で結果が求められる厳しい現行世代の土俵に少しは順応できるようになってきました。
しかし如何に感覚やモチベが戻ってきたといえ、オン・オフ問わずバリバリやっていた7世代の当時に比べて連日コンスタントに対戦に向き合う体力が衰えてきたことは残念ながら否めないのが事実です。やはり若さというのは期限付きでかつ更新することが不可能な、大変貴重な免許なのですね。
あくまでリアルに支障を来さないことを大前提に、マイペースに今後とも頑張っていければと思います。
それに付随し、かつて自身が定期開催していた対戦オフ・カンポケについてもまだ詳細を発表する段階にはありませんが、年内に一度何かしらの告知ができればと思っていますので...、もうしばらくお待ち頂けたら嬉しいです。
長くなりましたが、旧世代からお世話になっている方・SVより交流を持ってくださっている方、今後ともどうぞよろしくお願い致します。