Liveraと申します。S11お疲れ様でした。
今期はシーズン通して対戦モチベが低く中盤はレートほぼ放置気味でしたが、序盤に使っていた構築をラスト1週間で少し組み変えて潜っていました。
華々しい結果は出ませんでしたが最終日の夜は2000をうかがう位置でしばらく戦う事ができ、一応「レートに取り組んだ」と言える程度の戦績は残せたと思ったため記録として残します。
使用した構築は以下の通りです。対戦して下さった方々はありがとうございました。
【構築の経緯】
長らくねばねばネット始動の対面・積み構築を好んで使ってきたが、
現環境で使用率の高い所謂「共有パ」をはじめとしたカバマンダ軸やリザグロス軸に対して刺さりが悪い点、またシーズンが進むにつれ挑発持ちの種族が多様化したせいで中速以下のポケモンが使う補助技では思うように展開できない試合が増えてきた点がいよいよ無視できなくなってきた。
その為今シーズンでは
・挑発持ちの前でも起点作り(S操作)ができる
・その挑発持ちの代表例であり昨今暴れているゲッコウガや、コケコ、ミミッキュなどに対しほぼ確実に2回行動できる
・対面操作ができる
この条件を満たす起点要員を模索したところ、タイプ:ヌルの採用が決定。
ねばねばネットのように一度張れば有利な状態が終始継続するようなギミックはないため、序盤で作った1つの起点をそのまま終盤まで活かせて、勝ちに繋げやすい第1の積みエースとしてポリゴンZをまず採用。
また苦手なスカーフ地面の一貫を切れ、バシャやカミツルギ、ランドなどに余裕を持って後投げができる第2の積みエースとして腕白メガボーマンダを採用。
この2匹ではポリ2のような数値受け単体や低速サイクルの破壊において心許なかったため、それらに対する役割遂行及び選出牽制の意図も兼ねてオニゴーリを初めて採用。
2枠目のメガには、ヌルが撒く電磁波とシナジーしたエースでもあり、自身もS種族値130の高さから火傷を撒きポリゴンZの積み起点も作れる祟り目ゲンガーを採用した。
ここまでで相手のカバ入りが重かったため、カバに対して十分な削りを入れつつ起点を作れる始動役としてエンペルトを入れ構築が完成した。
【個体紹介】
① タイプ:ヌル
性格:生意気
特性:カブトアーマー
持ち物:進化の輝石
実数値(努力値):201(244)-116(4)-129(108)-116(4)-147(148)-57
技:電磁波/凍える風/蜻蛉返り/吠える
H-B:A197メガルカリオのインファイト、特化フェローチェの飛び膝蹴り確定耐え
H-D:C147コケコの10万Z+10万確定耐え、特化テテフのサイキネZ確定耐え
S:無振りカバルドン抜かれ、最遅ギルガルド抜かれ、麻痺の入った無振りミミッキュ抜かれ(後攻蜻蛉でエースを無償降臨できる。)
本構築の始動役。シーズン中の試合の8割で選出していた。
環境に蔓延るゲッコウガを筆頭とした特殊アタッカーを意識しているためD方面に分厚い調整をしているが、B方面も大抵の等倍技を2耐えできる程度には硬い。
USMにて新しく習得した凍える風によって、S操作の手段を補助技に依存しない点が挑発持ちや電磁波の通らない電気や地面に対して非常に強いと思った。
選出画面でエンペルトを見せている上電気が一貫しているため、相手の構築に役割対象のコケコやレボルトが居た場合高確率で初手に誘いこいつと対面させることができた。
S操作→後攻蜻蛉の流れが一般的と思われがちだが、
1800以降では相手が初手を起点にされる事を警戒し2ターン目に一旦下げてこちらのエース降臨に合わせるムーブをよくされたため、ヌルが最低限の仕事をこなしたら無駄な温存をせずにそのまま凍える風や電磁波を連射していた。しばしば裏から出てきたアタッカーにも麻痺が入り相手の構築がズタズタになっていった。
Sの遅いポケモンが起点作りを行うにあたり、挑発より致命的な弱点として相手の身代わり起点にされる点がある。加えてこのポケモンは並耐久の身代わりも壊せないほどに火力が無いため、吠えるは「便利な技」ではなく「必須な技」。
一見地味すぎる「カブトアーマー」という特性だが、出落ちが許されない起点要員が急所被弾をしないというのは本当に素晴らしい特性だと思った。
努力値配分等はこちらを引用させていただきました。
② ポリゴンZ
性格:図太い
特性:適応力
持ち物:ノーマルZ
実数値(努力値):161(4)-x-134(252)-163(60)-94(4)-134(188)
技:10万ボルト/冷凍ビーム/テクスチャー/自己再生
H-B:特化メガボーマンダの捨て身タックルまで確定耐え、特化ミミッキュのミミッキュZ+テクスチャーZ発動後の影打ち確定耐え
C:H4メガリザードンXをテクスチャーZ発動後の10万ボルトで確定2発
S:最速ガッサと同速
S9の構築「スイーツ・インパルス」で使用した個体を流用した。
本構築でも選出画面でまずこのポケモンが通せるかを最優先に考えていく。
スカーフランドロス、マンムー、カバルドン(条件付きでは突破可能)など障壁は一定数いるものの、自己再生による場持ちの良さ/弱点の少なさ/異常な火力による止まりにくさ の3拍子は7世代のアタッカーの中で群を抜いており、個人的に半年以上積み展開を使ってきて一番信頼がおけるエースだと思っている。
電磁波と自己再生の相性が非常に良く、物理相手ならクチートのように再生による回復が追いつかない高火力に対しても粘って痺れを待ち、HPを立て直してから攻撃に転じるチャンスを作れる。またアイへ怯みやアムハンでポリゴンZを散々犬死にさせられてきたメタグロスの前で堂々と展開できるのは非常に気分が良い。岩石封じは本当に最低だから来ないで下さい。
耐久に厚く割いており展開後も上を取られるポケモンは135族↑やスカーフ持ちなど普通にいるため、終盤こういったポケモンに詰められることがないよう急所被弾を怖がらずHP管理が必要な状況ではしっかり自己再生を連打することの方が大切。
③ メガボーマンダ
性格:腕白
特性:威嚇→スカイスキン
持ち物:ボーマンダナイト
実数値(努力値):201(244)-166(4)-187(156)-x-114(28)-150(76)
技:捨て身タックル/地震/羽休め/龍の舞
H-B:特化ミミッキュのミミッキュZ乱数耐え(31.3%)、A188メガミミロップ(A-1)の冷凍パンチが確定3発、特化メガバシャーモの飛び膝蹴りを確定4発など
H-D:C211(臆病CSメガリザードンY)までのめざめるパワー氷を確定耐え
地面の一貫を切るため、また圧倒的な物理耐久の高さによってステロを撒かれた後でもランドロスやメガバシャーモなどの物理に後投げして余裕を持って起点に出来る駒として採用した。
毒を撒いてくるテッカグヤやナットレイが多かったため身代わりが欲しい試合はかなりあったが、構築単位でガルドやドランが重かったため地震を切る事はできなかった。
火力が無く恩返しでは舞わないとミミッキュを落とせないことや、2舞3舞することを強いられる状況で相手に急所などの試行回数を稼がれる点を嫌って捨て身タックルを採用した。
選出画面にいるだけでヌルの役割対象であるゲッコウガやコケコを誘い出せる点も非常にありがたかった。
FFのキョンさんが愛用されているHBマンダの調整を拝借しました。
ダメ計のまとめは下記の記事をご覧下さい。
④ メガゲンガー
性格:臆病
特性:呪われボディ→影踏み
持ち物:ゲンガナイト
実数値(努力値):135-x-101(4)-222(252)-115-200(252)
技:祟り目/ヘドロ爆弾/鬼火/身代わり
ヌルの電磁波と相性の良いアタッカーとして採用。
眼鏡やZの可能性が高い先発テテフや、滅びや催眠もある相手のゲンガーなど積みエースを展開するのが危険な相手に対しては電磁波からの後攻蜻蛉でゲンガーを無償降臨させて抹殺する。
鬼火は祟り目の火力を上げるために撃つよりもポリゴンZの起点を強引に作る目的で撃つ事が圧倒的に多かった。マンダマンムーレヒレのような、中速の地面タイプでポリゴンZを阻害してくる構築はマンムーを焼くことで一転してテクスチャーの餌にし全てをぶち抜くことができた。岩石封じは本当に最低だから来ないでください。
対メタグロスも鬼火で焼いたら倒さずにヌルをクッションにするかもしくはポリZを後投げして展開する。
電磁波を2体以上に撒けた場合や、エンペルトのステロ欠伸で展開する場合はこいつを通して勝つ試合もあったが、総じて祟り目を撃つ機会は少なかったためマンダの起点を阻止する凍える風や11交換が出来る道連れなど他の技を採用した方が強いかもしれない。
⑤ オニゴーリ
性格:臆病
特性:ムラっけ
持ち物:食べ残し
実数値(努力値):177(172)-x-105(36)-101(4)-106(44)-145(252)
無償で降臨し試行回数を稼げるという点ではおそらくヌルの電磁波蜻蛉と一番相性の良い積みアタッカー。
実際にはグロスや呪いミミッキュ、残飯ガルド(普通に身代わり起点にされPPを枯らされる)、滅びゲンガー、ステロ吹き飛ばしなどなど多くのPTに何かしらの障壁が潜んでいるため展開を阻止されるどころかそもそも出したいと思えない試合が多く、このポケモンを使って運勝ちした試合はほんの1割程度だったように思う。
しかし見せ合い時の選出圧力という点では真価を発揮しており、このポケモンを入れてからポリ2やクレセ、カビゴン、カバルドンといった数値受け(後者2匹に関しては吹き飛ばしがあるが、単純に零度の試行回数を稼がれる点を嫌われた?)が出されないことが増えて積みエース(特にマンダ)が通しやすい試合がしばしばあった。
雨や砂のような天候パにはポリゴンZが出せない事と、守る身代わりでターンを枯らせるだけでも有益なので選出した。
他にもブルドヒのような受けサイクル、受けループ、ポリクチなど平均して低速が多く簡単に試行回数が稼げそうな構築には進んで選出することもあったが、原則こいつで勝ち筋を手繰るのはどうしようもない相手に対する最終手段程度に考えていたため基本的には選出画面で見せるだけにとどめた。
⑥ エンペルト
性格:図太い
特性:激流
持ち物:ラムの実
実数値(努力値):189(236)-x-151(236)-131-121-85(36)
技:波乗り/凍える風/ステルスロック/欠伸
H-B:特化メガガルーラの猫+地震を確定耐え、A197霊獣ランドロスの地震を確定耐え(特化は高乱数耐え)
H-D:C211メガリザードンYの晴れ下大文字を高乱数耐え
第2の始動役。
カバマンダ系統(電気がいない場合)や、ガッサ入りのようにステロを絶対に撒きたい構築にはこの駒を投げる。
・構築単位で重たいカバルドンの欠伸を透かし削りを入れた上でステロを撒く
・ステロを刺したいガッサが初手に投げられた場合でも胞子を透かし削りを入れられる
の2点が主な仕事だった。
準速ガッサなら凍える風を当てると上が取れるため、2ターン目は自由に動けることも多い。カバルドンを使っていた時のようにまんまと剣舞の起点にされない点がとても安心できた。電気の一貫がある事もそれなりにしんどい為ラグラージに変える事も考えたが同じぐらい重たいガッサ入りに対しての勝率にとても貢献していたため続投した。
【選出パターン】
一部の相手を除き、「ポリゴンZをどうやって通すか」を最優先に考えて選出を組み立てる。以下のパターンは一例。
おそらく一番多かった選出。ポリゴンZを展開するにあたり障害になるランドロスやガブなどカバルドン以外の地面タイプが居る場合はこの選出で地震の一貫を切ってこれらを削りつつ最後にポリゴンZを通すことが多い。
特に前期多かったステロ爆発ランドからバシャを通してくる構築には必ずこの選出を行った。
② タイプ:ヌル+ゲンガー+ポリゴンZ
・テテフやゲンガーのような麻痺を入れてもポリゴンZが起点にするのは危険な特殊超火力がいる構築
・フェローチェ入り(メガ枠にボーマンダを連れていくと皆殺しにされる)
・カバルドンやマンムーなどポリゴンZの障害がいて、かつ初手にエンペルトが投げられない構築
・バシャーモが居ない構築(この選出の最低条件)
カバルドンは鬼火祟り目で大きく削るもしくは突破し、マンムーは鬼火で焼いて置物にすることで展開のお膳立てをする。
・カバマンダガルド、カバリザ(電気タイプがいない場合)
・ガッサ、ガモス入り(ステロを撒いてポリゴンZを通したい) など
雨、砂、低速受けサイクルにはよくこの選出を行っていた。
【重いポケモン】
・ヒートロトム・・・マンダが止まり、ポリゴンZで押し切ろうにも炎Zで突破されたり毒+ピンチベリーで粘られたり基本的に分が悪い。ステロ撒いてからメガゲンガーを通す動きができればいくらか楽。
・スカーフテテフ・・・ただでさえ一貫が取られている上終盤にこいつが出てきた頃には足を殺せるヌルが疲弊していることが多い。ヌルのHPを温存させる事を心がけるもしくは上から殴り倒すなら最速まで考慮して2舞以上したマンダを場に残しておかないと厳しい。
・ジャラランガ・・・ジャラZを積まれたら誰も受からないし展開の阻止もできない。
・カビゴン・・・こいつの為にゴーリを連れていかなければならない程度には厳しい。
吹き飛ばしがなければまだ何とかなるけどまあ大抵は持ってる。
【戦績】
TN:Livera
最高1991/最終1953(448位)
2回目の20チャレは勝てた試合をプレミで逃してしまいました。
まだまだ甘いですね。
【後語り】
従来の構築が使いづらくなっていく中でなかなかこれといって使いたい並びが見い出せずにいたことがモチベの上がらない原因となっていましたが、なんとか今期の終盤で軸を見つける事ができました。
タイプ:ヌルを軸にした構築は今期を含め何人かの方が結果を出されているようです。
完成度としては見劣りしてしまうのは否めませんが、前回のアブリボン軸のようにこの記事を踏み台にして更に上を目指してくれる方が現れたら光栄です。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。ごきげんよう。
~Special Thanks~
・タイプ:ヌルの個体厳選から協力して頂いた小林さん
・シーズン中盤に構築に対しアドバイスをくれた大統領
・ユキワラシの理想個体をくれたgaspardくん
・エンペルトの調整を一緒に考案してくれたしばえんさん